プログラムの目的

現代の日本において、科学技術の進歩が目覚ましい中、一般向けの最先端の技術を学ぶ場が少ないのが現状です。また、大卒10年もすると学んだことと実際の業務のギャップが大きくなるため理論や技能のリスキリングが必要となっています。そんな中、技術進歩によって開発にかかる時間も短くなるなど、技術的に容易になった部分もあるのですが、未就業の一般の方や異業種の方が、こうした新技術を学ぶ機会はほぼありません。

この課題意識のもと、本プログラムでは、意欲のある方々に、研究設備による大規模データ取得・管理・活用技術を学ぶ機会を提供し、現在埋もれている優秀な人材を掘り起こすとともに、データを用いた新たな視点や解決策を提示するプログラムを企図しました。

大規模データの取得・管理・活用することが世界ではあたりまえになっているバイオ産業では、COVID 19診断、ワクチン開発が圧倒的なスピードで進みましたが、残念ながら我が国では、輸入品に対して、国産品の開発が大幅に遅れる結果となりました。今後の成長分野である、グリーンイノベーションでも大規模データ取得・管理・活用は、技術的差別化だけでなく、ブランド化の根拠ともなるため、それができる人材に対するニーズはさらに高まると予想されます。

本プログラム修了後、受講者の方々が革新的なアイディアや新たな価値を産み出し、すでに企業でお勤めの方はさらに活躍されるように、また、求職中の方は、次世代研究支援者や新機軸による挑戦をすることを想定しています。

プログラムの実施概要

実施期間:
2024年4月〜9月、10月〜2025年3月*
  • オンデマンド講義+小テスト
  • 実習は希望者のみ対象(11月以降実施 定員あり先着順)
導入・準備編
[データ取得・管理・活用のリテラシー 高校の理科の基礎知識から確認し、応用する]
  • 開講式・ガイダンス
  • ITリテラシー・IT倫理・情報検索
  • 研究室倫理
  • 安全教育
  • 計測基礎1(小さいものを観る)
  • 計測基礎2(小さい質量を測る)
  • 設備共同利用オープンファシリティ
  • 自動計測

オンデマンド+小テスト:120分×8回

実践・活用編
[最先端検査機器からデータを生産し活用する]
  • 実践・活用編を受講するにあたって
  • 事故原因調査におけるデータ取得・活用
  • ナノサイズで生体試料を観る<高速原子間力顕微鏡>
  • ナノサイズで画像を観る_真空中<電子顕微鏡>マイクロサイズで元素を調べる<エネルギー分散X線>
  • 香りを調べる<ガスクロマトグラフ質量分析計>
  • 代謝物をイメージングする<質量分析計>
  • タンパク質を解析する<質量分析計>
  • 研究データベースの活用
  • 遺伝子を解析する<リアルタイムPCR>

オンデマンド講義+小テスト:120分×9回
実習は希望者のみ対象(11月以降実施 定員あり先着順)

未来・発展編
[最新の知識と研究動向]
  • 自動実験の未来
  • 研究データ基盤
  • オープンサイエンス

希望者のみ対象(11月以降実施 定員あり先着順)。

対象者

  • 分野、年齢や性別については限定せず、大規模データ取得・管理・活用を積極的に行いたい方を想定します。
  • 現在の正規、非正規雇用、職階を問いませんが、将来は職場でDX化を牽引できる人材。
研究支援人材を目指す求職者の方
  • 職歴、出身学部等を問いませんが、高等学校の理科の知識は自学、自修を求めます。
  • 地域企業や研究機関所属の方
  • 求職中の方

運営体制

  • 本プログラムでは、北陸3県の経済団体である 「北陸経済連合会」 とも連携し、「次世代技術支援」人材の育成を図ります。
  • 金沢大学の教員、技術職員の他、北陸地区の大学、公設試、地域企業等から外部講師を起用します。

主な担当講師

Lecturers

長谷川 浩 はせがわ ひろし
金沢大学理工学域物質化学系 教授 学長補佐・博士(理学)

担当
総括 事業実施委員長

略歴
愛知県出身。京都大学大学院博士前期課程修了後、高知大学、京都大学を経て、2011年から現職。
専門は分析化学、環境化学、水圏化学。現在、研究基盤統括本部長、総合技術部長、理工研究域副域長、ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長、物質情報解析支援センター長を担当。

小林 亜紀子 こばやし あきこ
金沢大学 総合技術部 技術専門職員 博士(医学)

担当
ゲノミクス計測とデータ活用

略歴
石川県金沢市出身。金沢大学大学院博士後期課程修了後、JAIST助教、金沢工業大学ポスドク、金沢大学ポスドク、特任助教等を経て、2022年より金沢大学の技術職員として医学系の実験共通機器の維持・管理・運用を行っている。専門は細胞分子生物学。

西内 巧 にしうち たくみ
金沢大学疾患モデル総合研究センター 准教授 博士(理学)

担当
質量分析計を用いたプロテオーム解析

略歴
大阪府出身。九州大学大学院博士後期課程修了後、科学技術特別研究員、金沢大学助手を経て、2021年から現職。専門は植物分子生物学。さらに、質量分析計を用いたプロテオーム解析について多様な共同研究を展開しており、考古試料を用いたパレオプロテオミクスにも取り組んでいる。

紺野 宏記 こんの ひろき
金沢大学ナノ生命科学研究所 准教授 博士(理学)

担当
高速原子間力顕微鏡によるデータ取得・解析

略歴
岩手県出身。東京工業大学大学院博士後期課程修了後、ポスドク、東京工業大学助教、金沢大学バイオAFMセンター准教授を経て、2017年から現職。専門は生体試料の1分子構造動態計測。

大坂 一生 おおさか いっせい
富山県立大学工学部医薬品工学科 准教授

担当
質量分析計による代謝物のイメージングと材料分析

略歴
函館市出身。関西大学大学院博士後期課程3年の最終年度から北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の質量分析室の技術職員、その後、横浜市立大学の特任助教、JAISTの専任講師を経て、2018年から現職。専門は質量分析学。研究は生化学や医薬、材料、環境化学分野。

大古 善久 おおこ よしひさ
産業技術総合研究所 主任研究員 博士(工学)

担当
自動計測

略歴
広島県出身。東京大学大学院博士後期課程修了後、大阪大学、東京大学を経て、2005年から現職。専門は光触媒、材料化学。現在、資源・リサイクル現場の自動制御支援活動にも参画。

杉山 博則 すぎやま ひろのり
金沢大学 総合技術部 技術専門職員 博士(理学)

担当
表面観察・元素分析・遠隔操作
(電子顕微鏡+エネルギー分散X線分析)

略歴
静岡県出身。富山大学大学院博士前期課程修了後、静岡県内の高等学校で2年間勤務。担当科目は理科。2007年から金沢大学の技術職員として化学工学系の学生実験や走査電子顕微鏡等大型研究設備の維持・管理・運用を多数担当。在職中の2013年に富山大学大学院で博士(理学)を取得。

長井 圭治 ながい けいじ
金沢大学 先端科学・社会共創推進機構 特任准教授
博士(理学)

担当
計測基礎
(小さなものを観る・小さい質量を測る)
プログラムコーディネータ

略歴
東京都出身。早稲田大学大学院博士後期課程修了後、ポスドク、大阪大学助手、東京工業大学准教授を経て、2021年から金沢大学研究基盤統括本部にて、リサーチ・アドミニストレータ(URA)として大学研究設備の共同利用推進を担当。